クリスマスコンサート報告

第7艦隊音楽隊(7th Fleet Band)との音楽会
去る12月21日、米海軍横須賀基地内に本拠のある第7艦隊音楽隊の
クリスマス・コンサート(Annual Holiday Concert #50)が開催された。
このコンサートに私たち逗子高校吹奏楽部が招待され、
音楽隊のメンバーの皆さんと一緒に演奏させていただく機会を得た。
(同時に湘南学園吹奏楽部、葉山混声合唱団、キニックスクールバンドも招待された。)
招待のきっかけは、本校吹奏楽部が毎年行っているチャリティーのフレンドシップコンサートに
キニックスクール(米軍関係の子弟の通うアメリカンスクール)を招聘したことによる。
その際に知り合った米軍族ウィンキー・ホワイトさんご一家が
本校吹奏楽部の部員とその活動に多大な好意を寄せて下さり、
地元音楽家との交流を求める音楽隊のホッジ隊長に推薦して下さったのである。
音楽会は横須賀基地内にある音楽隊本拠の劇場でおこなわれ、
演奏曲目はショスタコービッチ作曲の「祝典序曲」の他、クリスマスにちなんだ数曲で、
これを合同バンドで演奏した。さらにその間に艦隊バンドだけのポピュラー曲演奏が挿入された。
後半は合唱の入る曲もあり、本校部員は英語歌詞の合唱曲にも挑戦した。
リハーサルはコンサート前々日から2日間、本番当日にも通し練習が行われた。
3日間いずれも熱がこもった練習となった。曲は簡単なものではなく、
合同バンドのメンバーの技量は様々だった。
ホッジ隊長は時には片言の日本語でジョークをとばしながらも、要点を繰り返し練習させた。
各パートのリーダーとなる艦隊バンドのメンバーが、細かい点を指示した。
部員たちは英語のリハーサルに最初は戸惑ったが、
艦隊バンドのメンバーに親切に指導して頂き、すぐに音楽を楽しめるようになった。
身ぶりや片言を交えてのコミュニケーションだったが、音楽が意志疎通を助けてくれた。
一つの音楽を共に作ろうとする時、自然と気持ちは一つになる。
まして、第7艦隊音楽隊のメンバーは、音楽を体中で表現し、
心から楽しむ、素晴らしいプレーヤーぞろいである。
合唱では言葉の練習も必要だった。あらかじめ学校で音をとり、英語の先生の指導も受け、
さらに、葉山混声合唱団の馬場先生が来校してご指導いただいたが、
十分な準備とはいえなかった。しかしステージでは、
音楽隊メンバーの何人かが一緒に歌って下さった。歌いながら皆をリードし、
発音を直したりもしてくれた。いつも楽しげで、
それでいて一生懸命音楽するメンバーの方達につられて、
私たちもいつのまにか思いきり声を出していたように思う。
リハーサルの2日目には夕方休憩時にはご馳走を頂いた。
艦隊バンドで用意していただいたほかに、キニックスクールの父母の持ち寄りで、
食べきれないほどの料理が用意された。
演奏会当日にも、おいしいピザがサービスされ、参加者は2日続けてアメリカの味も楽しんだ。
演奏会では基地幹部を含む満員の聴衆が集まり、約2時間の音楽会を楽しんだ。
合同バンドメンバーの関係者(保護者等)も数十名も招待されたが、
このコンサートの素晴らしい雰囲気はもっと多くの日本人にも聴いてもらいたいものである。
3日間の音楽を通しての国際交流は生徒・部員に素晴らしい思い出となる経験であった。
クリスマスの時季は今や日本でも華やかなものがあるが、アメリカ社会である基地内では、
ただの商業主義的なものではなく、皆が心から待ちわびている行事としての雰囲気がある。
そして、アメリカ人らしい陽気さで音楽を楽しむ文化も感じることが出来た。
それらを直に体験できた生徒達は大変幸運であったと思う。
部員達が経験した今回の音楽は若い心に一生残るような大きなインパクトがあったと思う。

横須賀ベースにおける練習と演奏会の日程
12/19 tue.
14:00-17:30 リハーサル

12/20 wed.
14:00-17:00, リハーサル
17:00-18:00, 夕食
18:00-19:00 合唱とのリハーサル

12/21 thu.
15:00-,  ゲネプロ〜軽食
19:00-21:00 演奏会・本番

*合同演奏演奏/曲目
「祝典序曲」(ショスタコービッチ)
「そりすべり」(アンダーソン)
「プライベートライアン」より賛美歌(ウィリアムス)

*第七艦隊バンドのジャズ演奏
*本校のアンサンブルコンテスト参加チームの演奏

(おそらく開演前ロビー等にて)
この度の演奏に関しまして以下の諸氏に大変お世話になりました。
D.W.ホッジ
海軍大尉 (第7艦隊音楽隊隊長)
G.モリス兵曹 (同隊リーダー/日本語通訳として、すべての仲立ちをして下さいました。)
あけみ・ホワイトさん (キニックスクール音楽部員の父母)
馬場さん (葉山混声合唱団指揮者)